俳優・伊藤淳史さんの弟で、同じく俳優として活躍していた伊藤隆大さん。2009年にわずか21歳という若さでこの世を去りました。
現場には8通もの遺書が残されていたと報じられていますが、その中身は一切公開されていません。なぜ、将来を嘱望されていた若手俳優が自ら命を絶ってしまったのか。
伊藤隆大さんの死因や遺書にまつわる情報、そして自殺の理由として考えられていることを、報道やご家族のコメントをもとに振り返ります。
伊藤淳史の弟・伊藤隆大の死因や遺書の真相
- 伊藤隆大さんは2009年3月8日、車内で練炭自殺により死去(享年21歳)
- 死因は急性一酸化炭素中毒で、車内から遺書が8通見つかった
- 遺書の中身は一切公表されておらず、自殺の真の理由は不明
- 自殺の原因として「失恋」「身体的コンプレックス」「将来への不安」などが推測されている
- 亡くなる1か月後には兄・伊藤淳史さんとのドラマ共演が決まっていた
| 名前 | 伊藤隆大(いとう たかひろ) |
|---|---|
| 生年月日 | 1987年6月25日 |
| 没年月日 | 2009年3月8日(享年21歳) |
| 出身地 | 千葉県船橋市 |
| 身長 | 154cm |
| 血液型 | A型 |
| 職業 | 俳優・子役 |
| 代表作 | のだめカンタービレ、容疑者Xの献身、ガリレオ |
伊藤隆大さんは5歳のときにドラマ「リッ子・その愛、その死」への出演で子役デビューを果たしました。10代では「のだめカンタービレ」や映画「容疑者Xの献身」といった有名作品に出演し、洋画の吹替え声優としても活躍しています。
「のだめカンタービレ」では独特のヘアスタイルのキャラクターを演じ、コミカルな演技が印象的でした。映画「容疑者Xの献身」では、福山雅治さんや堤真一さんといった豪華キャストの中で存在感を発揮しています。
まさにこれからという時期でしたが、伊藤隆大さんは2009年3月8日、神奈川県相模原市の相模湖近くの駐車場に停めた車内で亡くなっているのが発見されました。
車内には練炭や遺書が残されており、警察の調べによると死因は急性一酸化炭素中毒。事件ではなく自殺と判断されています。
伊藤隆大さんが亡くなった1か月後の4月には、兄の伊藤淳史さんとドラマ「漂流ネットカフェ」での共演が決まっていた矢先のことでした。兄弟での初の本格的な共演を楽しみにしていたファンの間でも、大きな反響がありました。
自殺の理由については失恋、身体的コンプレックス、病気、仕事の悩みなどさまざまな推測がされています。しかし、真相は遺書に託されたまま、公にはされていません。
残された遺書と家族・共演者のコメント
突然の弟の死に、兄の伊藤淳史さんは事務所を通じてコメントを発表しています。
「弟は誰にでも優しく、いいところを見せようと頑張りすぎるところがあり、支えてくれた周りの人達に迷惑をかけたくないという彼なりの優しさが、こういった不幸を招いてしまいました」と語っており、弟の死をまったく予期していなかった様子がうかがえます。
また、4月から放送予定だった「漂流ネットカフェ」での共演をとても楽しみにしていたことにも触れ、信じられないという心境を明かしていました。
伊藤隆大さんが亡くなった翌日、伊藤淳史さんは主演映画「フィッシュストーリー」のイベントに出席しています。涙ぐみながらも作品に込めた思いを語り、「天国にいる人にも伝わってほしい」と弟への想いをにじませていました。
ドラマ「ガリレオ」で共演した女優の高山都さんも、伊藤隆大さんの訃報を受けてコメントを残しています。「人の苦しさや抱えていた重さは他人には理解できないかもしれませんが、それでも自ら命を絶つなんて信じたくないのが本音です」と、突然の別れへの戸惑いを語っていました。
現場の車内からは、家族や友人に宛てたと思われる遺書が合計8通見つかっています。しかし遺書の中身や宛先については一切報道されておらず、自殺の真の理由は明かされていません。
おそらくその中には兄・伊藤淳史さんへ宛てたものもあったと考えられますが、伊藤淳史さんも遺書の内容についてはコメントを控えています。
なぜ自殺したのか?考えられる理由を考察
伊藤隆大さんは亡くなる直前まで「My Style My Life」というブログを運営していたようです。最後の投稿は亡くなるおよそ2週間前の2009年2月22日でした。
高校のクラス会について綴った内容で、「3月の撮影に向けてダイエットのため禁酒します!」と締めくくられていたとのこと。この「3月の撮影」は兄との共演が予定されていた「漂流ネットカフェ」の撮影だったと思われます。
自殺をまったく匂わせない、むしろ前向きな内容だっただけに、わずか2週間で何があったのかは大きな謎です。明るく振る舞っていた影で、すでに深刻な苦悩を抱えていた可能性も否定できません。
伊藤隆大さんが自ら命を絶った理由として、主に以下の4つが推測されています。
失恋が原因?
まず挙がるのが「失恋」説です。ただし、伊藤隆大さんに交際相手がいたことや失恋をしたという確かな情報は見つかっていません。
自殺現場の車内に女性の写真が複数枚あったという情報がネット上に出回っていますが、大手メディアの報道ではないため信憑性は不確かです。
仮に恋愛面での悩みがあったとしても、それだけが自殺の決定的な理由だったかどうかは判断できません。
身体的コンプレックス
伊藤隆大さんの身長は154cmと、成人男性としてはかなり小柄でした。ちなみに兄の伊藤淳史さんも162cmで、兄弟そろって小柄な体格です。
低身長のために成人役のオファーが少なくなり、悩んでいたのではないかという説もあります。
実際、子役時代は年に5本以上の作品に出演していたのに対し、亡くなる直近2年間ではドラマと映画を合わせて2本にとどまっていました。子役から成人俳優への転換期に、思うように仕事が増えないもどかしさを感じていた可能性は十分に考えられます。
もちろん、低身長は俳優にとって唯一無二の個性でもあります。伊藤隆大さんにしか演じられない役柄もあったはずですが、本人がどう受け止めていたかは分かりません。
病気の噂と「頭が長い」の真相
ドラマ「のだめカンタービレ」に出演した際、頭が不自然に長く見えることがネット上で話題になり、「病気ではないか」という噂が広まりました。
ただ、これは役柄でカツラを着用していたためと考えられています。他の出演作品では自然な髪型に戻っていることから、病気が原因ではなかったと見るのが妥当です。
「のだめカンタービレ」で初めて伊藤隆大さんを知った視聴者にとっては驚く見た目だったかもしれませんが、あくまで役作りの一環でした。
将来への不安と兄との比較
兄の伊藤淳史さんは2005年のドラマ「電車男」で主演を務め、一躍全国区の知名度を獲得しています。同じ俳優という道を歩む弟として、兄と比較されることへのプレッシャーは相当なものだったのではないでしょうか。
個性的な役柄をこなし、着実にキャリアを重ねる兄を間近で見ていたからこそ、自分の将来に漠然とした不安を感じていた可能性があります。
伊藤淳史さんのコメントにあった「いいところを見せようと頑張りすぎるところがあった」という言葉が、弟の性格をよく表しているように感じられます。
真面目で周囲に迷惑をかけまいとする性格だったからこそ、誰にも相談できずに一人で悩みを抱え込んでしまったのかもしれません。
伊藤淳史と弟・伊藤隆大の共演作品
伊藤隆大さんが亡くなる直前まで、兄弟での共演は実現間近でした。実はそれ以前にも、2人は同じ作品に出演しています。ここでは兄弟の共演作品を振り返ります。
電車男(2005年)
2005年放送のドラマ「電車男」は、兄・伊藤淳史さんの名前が全国に広まるきっかけとなった代表作です。「彼女いない歴=年齢」のアキバ系オタクのサラリーマンを演じ、伊東美咲さんとのネット掲示板を通じた恋愛模様が大きな話題を呼びました。
あまり知られていませんが、この作品で兄弟が共演しています。伊藤隆大さんは第10話以降に中学生の「厨房」役で登場しました。
脇役ではあったものの、難しい中学生役を自然に演じきり、作品にいいアクセントを加えていました。放送当時は兄弟だと知られていなかったため大きな話題にはなりませんでしたが、今あらためて見返すとまた違った味わいがあります。
義経(2005年)
同じ2005年放送のNHK大河ドラマ「義経」でも兄弟が共演しています。滝沢秀明さんが源義経を演じた本作で、伊藤淳史さんは義経の家臣・喜三太役を務めました。
伊藤隆大さんは平清盛の三男・平宗盛の幼少期を演じています。作中で兄弟が直接絡むシーンはありませんでしたが、それぞれの立場で作品に貢献していました。
2人が初めて同じ作品に名を連ねた記念すべき共演として、ファンの間では語り継がれています。
漂流ネットカフェ(2009年)※共演ならず
2009年4月放送のドラマ「漂流ネットカフェ」では、兄・伊藤淳史さん主演作での本格的な兄弟共演が予定されていました。しかし、伊藤隆大さんの急逝により叶いませんでした。
押見修造さんの漫画が原作で、ネットカフェにいた人たちが異世界にトリップするという物語です。伊藤隆大さんが演じる予定だった「亀田」役は、急遽、吉武怜朗さんが代役を務めました。
「亀田」は人間嫌いだが頭の切れる人物で、借金取りに追われているという癖のある役柄でした。兄の伊藤淳史さん演じる主人公とも絡みの多い役どころだっただけに、2人の共演が見られなかったことは返す返すも残念です。
伊藤淳史さんは2026年現在も俳優として精力的に活動を続けており、WOWOWのドラマ「かばん屋の相続」など話題作への出演が続いています。弟・伊藤隆大さんの分まで、これからも活躍されることを願うばかりです。



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