「女子高生コンクリート詰め殺人事件」
この言葉を聞いて、いまだに憤りを感じる方は多数おられる事でしょう。
なんの罪もない、真面目な女子高生が拉致され、最後にはコンクリート詰めにされたという事件です。
今の若い人たちの中には、この事件を知らない人も。
いまだ、その残酷さから語り継がれている悲しい事件ですが、少しずつ風化してきているのかもしれません。
しかし、この事件が風化する事は、重大な罪が犯された事実まで忘れ去られる事になります。
この事件は、少年法についても深く考えさせられる事となりました。
そこで、被害者の古田順子さんと少年法について、まとめてみました。
40日もの監禁で悲惨な状況!古田順子の遺体の状態がヤバい
「女子高生コンクリート詰め殺人事件」とは、どのような事件だったのでしょうか?
「わいせつ略取誘拐・暴行・殺人・死体遺棄」と、あまりにも残酷な事件でした。
1988年11月25日。
当時、女子高生だった古田順子さんは、バイト帰りに自転車で帰宅途中、少年に拉致されてしまいます。
そして、ホテルへ連れ込まれ…。それだけでは終わらず、他の少年の自宅で捕らわれる事に。
それから、約40日もの間、容赦ない暴行などが行われました。
一度、警察に通報しようと試みましたがバレてしまい、暴行はさらにエスカレートしていきました。
体も心も重篤な状態に陥っていた古田さんは、救出されぬまま息絶えてしまいます。
少年達は自分達の罪を隠すために、ドラム缶の中に遺体をコンクリート詰めにし、埋め立て地に遺棄。
もともと、不良行為を重ねていた少年達。この残酷な事件が明らかになり世間を震撼させました。
古田さんの変わり果てた姿は、あまりの残酷さに顔をそむける捜査員もいたほど。
肉親でさえも我が子と識別できなかったそうです。少年達の犯行内容の詳細を知ると、記事を読んだだけでもトラウマになる人がいるほどの、おぞましい事件でした。
事件後に両親の自殺説も浮上!家族の現在について調べた結果
「女子高生コンクリート詰め殺人事件」は、戦後最悪の少年犯罪事件と呼ばれています。
被害者の家族は現在、どうしているのでしょうか?
ショックで両親が自殺したという噂が浮上
事件後、古田順子さんの両親はショックで精神を病み、自殺してしまったという噂が浮上していました。
事件発覚後、古田さんの両親たちは遺体と対面し、身元確認をしていました。
熟練の捜査関係者ですら、目を背けたと言われた古田さんの姿に母親は、その場で絶叫し泣き崩れたそうです。
可愛い我が子の変わり果てた姿を見ることになり、想像を絶するショックを受けた事は言うまでもありません。
事件後に日常生活に支障をきたすほどの精神状態だった事でしょう。しかし、この自殺の噂に関しての確証はなく、噂止まりだったと思われます。
とはいえ、そんな噂が出てもおかしくないほど、家族が追い詰められた事は間違いありません。
改めて、少年達に憤りを感じます。
家族は事件後に転居・デマ報道にも苦しめられる
古田順子さんの実家は、埼玉県三郷市内にある一軒家でした。古田さんの思い出が残る自宅や地域で暮らし続けることは、精神的に耐えられなかったのでしょう。
古田さん一家は事件後に、転居してしまったことが確認されています。
転居後の古田さん一家の情報はありません。
おそらく、マスコミや人の目からも逃れたかったのかもしれませんね。
当時の一部のメディアは、古田順子さんを「非行少女だった」と報道。
元々、加害者の少年達と面識があり、あたかも不良グループの中で起こった内輪揉めかのように報じました。
古田順子さんが犯人の少年らに誘われて、自らの意思でついていったと決めつけ、彼女にも責任があるなどと報じた事も…。
品行方正で、なんの落ち度もない被害者の古田さんに対して、あまりにもひどい報道です。
娘の死・残酷な犯行内容・変わり果てた娘の姿・心無い報道。今まで通りの生活が送れるわけがありません。
そして、現在でも深い悲しみを抱えていると思うと、胸が痛みます。
容姿端麗・品行方正!古田順子の生い立ちを総まとめ
- 名前:古田順子
- 出身地:埼玉県八潮市
- 生年月日:1971年1月18日
- 家族:父・母・兄・弟
- 学校:県立八潮南高校
兄と弟がいたため、ドッジボールや虫取りなど男の子の遊びを好む、快活な少女でした。
運動神経も良かったと言われています。
芸能界でも通用するような愛らしい顔立ちと、165㎝のスラリとしたモデル並みのスタイルの良さ。
将来の夢としてアイドルを語った事もあったそうです。
学校の成績はトップクラスで、派手な服装はせず真面目な子で、学校の欠席日数も3年間で1~2日程度という極めて周囲からの評判の良い少女でした。
1989年3月の高校卒業後、家電量販店への就職が決まっていました。
事件に巻き込まれる直前の古田さんは、長渕剛さん主演のドラマ「とんぼ」の最終回を見ることを楽しみにしていたとのこと。
ドラマを楽しむという穏やかな日常が、まさか奪われる事になるとは誰も思わなかった事でしょう。
もともと、逮捕された少年達は、女性を狙ったひったくり・車を利用した事件などを繰り返し起こしていました。
しかし、古田さんだけが約40日も捕まえられ、被害を訴えることも出来ぬまま生涯を閉じる事に…。
容姿端麗な古田さんは少年達に、特別な興味を持たれてしまったのかもしれません。
刑が軽すぎ?問われ続ける少年法や刑罰の在り方に迫る
この事件のあまりの残酷さは世間に衝撃を与えましたが、判決の結果でも激しく世間は反応を示しました。
「判決の量刑が軽すぎる!」少年法が問われることに
この事件で、大勢の不良少年や少女がこの暴行・虐待に加わったとされています。
しかし、事件発覚後に逮捕されたのは4人で、判決は以下の通りでした。
- 宮野裕史(改名後・横山裕史) 18歳:懲役20年(求刑は無期懲役)
- 湊伸治 17歳:懲役5年以上、10年以下の不定期刑(求刑は懲役13年)
- 小倉譲(改名後・神作 譲) 16歳:懲役5年以上、9年以下の不定期刑(求刑は懲役5年以上、10年以下の不定期刑)
- 渡邊恭史 17歳:4人の中で唯一上告し「懲役3年以上4年以下の不定期刑」(求刑は懲役5年以上、7年以下の不定期刑)
少女を40日間、異常なほどの苦しみを与えたあげく死に追いやり、コンクリート詰めにするという残酷な行為。
成人なら、相当重い刑罰がくだされていたでしょう。しかし、この少年達は少年法に基づき、遺族や世間には納得いかない判決となりました。
少年法は「刑事処分」ではなく更生のための「保護処分」
少年の犯罪は後を断ちません。
現在でも少年法については、論議が交わされています。
そもそも、少年法とはどのようなものなのでしょうか?
【少年法とは?】
- 20歳未満対象の罪を犯した少年などの扱いを定める法律。
- 事件の責任をとらせる刑事処分ではなく、今後に犯罪を起こさないための更生・教育の保護処分を重視。
【少年法の考え方】
- 思春期の少年を刑務所に入れ刑罰を与え、そのまま社会に戻すことは本人の改善・社会復帰・社会の全般的治安にとって望ましくない
- 教育施設である少年院で、本人の人格的成長や反省を深め、就労支援まで含めた丁寧な教育を行って社会に戻すべき
少年法を廃止するとなると、大人と同じように刑務所に入れることになってしまいます。
罰だけを与えて社会に戻っても本人が成長していないままだと、また問題を起こしてしまう可能性が高くなります。
実際に、コンクリート殺人事件の逮捕者の一人、湊伸治は45歳で殺人未遂を犯しました。
じつは、湊伸治は少年院でなく、刑務所で服役していました。
少年法でも一定の重大な犯罪を犯した者は、通常の刑事裁判を受ける制度があるので、その扱いを受けたのですが…。
刑務所に入ったため、更生に向けての支援は受けていませんでした。
もちろん、「少年院の教育を受けていたら更生していた」とも言い切れません…。
専門家は「少年法」は必要という意見が多数を占める
未熟な子供が、その未熟さゆえから犯した罪。
年を重ね物事の判断を身に付けている成人のケースとは違い、更正するための道を作る事は必要です。
弁護士の間では少年法は必要という意見が多数あります。
弁護士の少年法に対する具体的な意見は…。
- 少年の未来のために罪を犯したとしても、未来を完全に潰してはならない
- 現行法のように「20歳」での線引きが妥当かは難しい問題で、議論をし場合によっては年齢見直しも考えるべき
- 罪を償う観点を強めるために厳罰化する方向での少年法改正も賛成だが、同時に社会復帰支援策も拡充するべき
- 家庭環境や交友関係によって非行に至る場合が多く、大人と比べて環境調整によって更生しやすい
- 少年法の廃止には反対だが、その改正については内容が合理的であれば反対しない
少年法の廃止は、逆にいろいろと問題が発生しそうです。
やはり、改正という形が良いのではないでしょうか?
世間の声は「少年法は必要ない」という意見が圧倒的に多い
この事件は、窃盗やケンカのあげくの障害事件などの話しとは、レベルが全く違います。
そして、悲しい事に逮捕されたうちの3人は再犯しています。
- 宮野裕史:2013年1月 振り込め詐欺で逮捕
- 小倉譲:2004年5月 監禁拉致容疑で逮捕
- 湊伸治:2018年 8月 殺人未遂罪で警察に逮捕
「あの時、死刑や無期懲役になっていたら再犯もなかった」という声もあがりました。
明らかに今の少年法では、遺族や世間に納得のいかない結果になる事が多いという、もどかしい状態です。
そのため、世間の声は圧倒的に「少年法はいらない」という意見が多いのです。
子供の将来は大切です。未熟な頃の過ちを許し、更正の道へ導く法律は無くしてはなりません。
しかし、その少年法に甘んじている子供たちがいることも事実です。
法の網をくぐり抜けて犯罪を犯す事は、決してあってはなりません。
失った命は戻らない!小さな悪の時からの早めの対処が大切
古田順子さん。あの事件さえなかったら、きっと幸せな家庭を築き上げていた事でしょう。
「どうして、人を殺してはいけないの?」という、ある子供の質問に…。
「取り返しのつかない事だから」と、シンプルな言葉で答えた方がいました。
一人の人生の全てが無くなってしまうのです。
残るものは、家族の悲しみ、憎しみ…、家族の幸せも奪われてしまうのです。
「人を思いやる」「自分がされて嫌な事はしない」
子供時代に身につけるべき、基本的な事がおろそかになっています。
少年達も始めは、小さな悪事だった事でしょう。親へのささやかな反抗や、いたずら心からの万引きなど…。
それが次第にエスカレートし、取り返しのつかない事をするまでになってしまいました。
少年達の感覚は、人として大切な事が分からなくなり、どんどんズレていったようです。
小さなズレのうちに対処出来なかった事が悔やまれてなりません。
今、出来る事は、古田順子さんの冥福を祈る事。そして、すべての少年達が正しい道を歩めるよう最善の支援を大人達がする事。
課題は山積みですが、ひとつひとつクリアしていく事を願うばかりです。
そして、古田順子さんの次の人生は、どうか幸せな日々でありますように…。
ちなみにこの犯人たちのその後ですが、少年法で裁かれずとも悲惨そのものになっています。気になる方はこちらの記事をご覧ください。
コメント
あれは少年だろうが何だろう凄惨過ぎて特別扱いされるべき事件でした。加害者の皆がこの世から消えるべきだと思わせざるを得ない。どれほど周りを傷つけたかも想像もできません。更生をする道もそもそも存在していなかったことは明らかだった。償えることは一生かけてもできない。被害者だって脳が縮む程怖かったって、脳が縮むことすら初耳です。どんな思いをしたかも一分も考えたくない。悔しいばかりです。叫びたいです。
誰もが思う事は、単純に刑に服されても、極刑になっても到底納得出来ないでしょう。
なので不可能ではあっても、奴らの倍以上の日数をかけて同様の仕打ちを与える事がせめてもの償いではと思います。目には目を歯には歯を。