2022年の第26回参議院通常選挙の選挙期間中の2022年7月8日にこの事件は発生しました。
奈良県の自民党候補者の応援演説に奈良県を訪れていた安倍晋三元首相が銃撃され、死亡する事件が発生しました。
今回の記事ではこの事件の容疑者である山上徹也の経歴等を紹介する記事となります。
一体なぜこの悲惨な事件を引き起こしてしまったのか…彼の生い立ちにその答えが隠れていました。
山上徹也容疑者の悲惨過ぎる生い立ちや経歴を総まとめ
山上容疑者が起こした事件については、発生当日も含めて散々メディアで報じられているので、今回の記事では山上徹也容疑者の生い立ちに絞って紹介する記事となります。
山上容疑者の生い立ちについてですが、事件発生後に既に多くのメディアによって、記事にされており、上記画像の様に分かりやすい情報としてまとめられているものが沢山確認出来ます。
これらの情報を中心に生い立ちを紹介します。
裕福な家庭に生まれるも4歳の時に父親が自殺
山上容疑者は1980年9月に奈良市内で山上家の次男として生まれています。祖父は会社経営をしていた地元の名士で、裕福な生活を送っていたようですね。
父親は京都大学工学部を卒業後、山上容疑者の母親の父が経営する会社に入社しています。
母親は大阪市立大学生活科学部を卒業、栄養士の資格も保有していたそうです。
実家は建築関連の会社で下請け会社だった様ですが、ゼネンコンからの受注も多く、景気はかなり良かった様です。
山上容疑者の父親が母の実家が経営する会社に入社した事で知り合い、1970年代末に結婚しています。
ところが、山上容疑者の父親は酒癖がかなり悪かったという情報もある様です。
この影響で暴力や暴言が絶えなかったとも言われています。
母親はこの頃から宗教に傾倒していた
山上容疑者の母親については、山上容疑者の供述や周辺取材から旧統一教会への入信が報じられています。
ですが、山上容疑者の幼少期には別の団体に傾倒していたとの情報もある様です。
それは実践倫理宏正会(朝起き会)に熱心に通っていたと言われています。
実践倫理宏正会を説明するとまた長くなるので、割愛しますが、こちらも宗教団体の一種と思われる団体です。
この団体が行っている「朝起き会」に熱心に通う様になるそうです。
実はお母さんが『朝起(あさおき)会』という宗教にはまっていたんです。子育てをほっぽらかしにしていて、朝の5時とかに出かけてしまうんです。
当時、2歳か3歳かの男の子が冬も裸足で家の外に出てきて、泣きながら母親を探してるんですわ。
ご主人もなんもせんとね。
おしっこやうんちで重くなったおむつをはいているから、半ケツ状態でかわいそうでした。
引用元:デイリー新潮
この「朝起き会」とは実践倫理宏正会の中心的な活動で、毎朝早朝の5時頃に出かけていたと言われています。
つまり幼い子供や夫もほったらかしてこの「朝起き会」に通っていたと言われています。
事件後に実践倫理宏正会は山上容疑者の母親との関りを否定している様ですが、当時の近隣住民の多くが目撃しており、それが原因と思われる夫婦の口論等もあった様です。
この事が原因となり、山上容疑者の父親はノイローゼとなりアルコール依存症やうつ病を発症したと言われている様です。
その後1984年頃に父親が自殺する事になりますが、表向きの原因は仕事現場であったトンネルの事故で亡くなった事にされたそうです。
ただし、前述で紹介したデイリー新潮の記事では以下の証言が掲載されています。
最後は近くのマンションから飛び降りて自殺しはってね、それは近隣で話題になりましたわ。
引用元:デイリー新潮
父親が亡くなった時は山上容疑者は4歳の頃で、母親は山上容疑者の妹を身籠っていた時期だったそうです。
その後、家族は母親の実家に引っ越しています。
父親の自殺と同時期に長男が小児がんになり右目を失明
また父親が自殺した同時期に山上容疑者の兄が小児がんを発症しています。
この治療の為に頭がい骨を開頭するような大手術も行っている様です。
また抗がん剤治療の影響で右目が失明し、癌は脳にまで転移していたそうです。
他にも76年には山上容疑者の母親の弟が小学5年生で交通事故で死亡、82年には最愛の母親(山上容疑者の祖母)も亡くしています。
山上容疑者の母親は10年程の間に家族を何人も亡くしており、息子が命に係わる病気になったりと、不幸が立て続けに起こっていた事実もあります。
弟が84年に自殺してから、私が支援していた。
コロナの前までだから、2年前の夏くらいまで。総額で2100万円。
生活費や予備校の費用、大学の入学金とか。全て一覧にして残してある
引用元:スポニチアネックス
山上容疑者の父親が亡くなって以降は、山上容疑者の父の兄(山上容疑者の伯父)が生活の支援を行う様になったと言われています。
中学校から高校時代は大変優秀な成績だったが…
小学校を卒業した山上容疑者は地元の中学校に通っています。
当時を知る同級生などは勤勉で努力家だったと語っています。
また勉強だけでなくスポーツも出来た様で、部活動はバスケットボール部に所属していました。
高校は地元公立校では進学校として知られる、郡山高校(偏差値68)に進学しています。
高校時代の部活は文芸部に所属していたそうです。
中学は運動系だった様ですが、高校では文科系クラブに所属していました。
またこれ以外に応援団に所属していたそうです。山上容疑者が在学中には甲子園に出場もしており、応援団として甲子園で応援した過去もある様です。
また当時を知る同級生の証言では「彼はとにかく大人しく、物静かな子だったけど、話しかければ笑顔で返してくれた。」とあり、決して人付き合いが苦手な人物では無かった事が分かります。
しかし、実際には既に中学生の頃から、山上容疑者は日々の生活にも困る様になっていました。
父親の自殺直後から母親が統一教会に傾倒していく
山上容疑者が逮捕後の供述で母親が旧統一教会に入信して以降、財産のすべてを寄付して、家庭崩壊を招いたとの報道を覚えている人も多いかと思います。
「子供たちはその間、食べるもんがなかったんですよ。だって、母親が日本におらんかったからね。自分は韓国に行き、ずっと放っておいた。ネグレクトどころではない、もっとひどい状態です。兄は病気で自分で食事を作ることもできない。その兄が電話をかけてきて、“食べるものがない”と。お金を持って行ってあげたりしていました。すると、冷蔵庫の中には食料がまるでないんですわ……」
引用元:5ちゃんねる
この報道を受けて、現・世界平和統一家庭連合(旧統一教会 略称「家庭連合」)が会見を行っています。
この会見では母親が入信した時期は98年と説明しています。
ですが、事情を詳しく知る山上容疑者の伯父の証言では91年頃には入信していたと証言されています。
また旧統一教会との関りは山上容疑者の父親が自殺した84年頃から始まっていたと別の親族が証言されています。
前述した山上容疑者の父親は84年に自殺していますが、その時の生命保険が5000万円家族に支払われています。
本来ならその保険金を切り崩して今後の生活費に充てる筈ですが、母親はそれを全額統一教会に寄付しています。
伯父の援助や父の土地を勝手に売買し全ての財産を寄付する
前述した様に夫の生命保険を統一教会に全額寄付しただけでも5000万円もの大金に上りますが、母親の献金はこれだけにとどまりませんでした。
時系列ははっきりしませんが、報道されているだけでも大口の献金をこれ以外にも行っている事が判明しています。
- 父親(山上容疑者の祖父)が購入した土地を勝手に売却した為、親子関係に亀裂が生じる
- 父親が亡くなると会社を相続するが、相続した会社の資産のほとんどを売却して、それを全額寄付した
- 2002年には自己破産している
- 父親から相続した建設会社は2009年頃に解散、夫の生命保険を含めて1億円以上の献金の事実があると伯父が証言している
- 入信後は韓国に行く機会が増え、その間3人の子供たちの世話は完全に放置された状態で、渡韓中の生活費なども一切渡されていなかったと思われる
- 伯父の援助まで教団への寄付に回してしまう為、援助を打ち切ると伯父の弁護士事務所まで金の無心に母親が来ることが何度もあった
上記の様に母親はもう教団の為に全てを捧げる状態だったため、高校卒業時の山上容疑者との関係は修復不可能なほどになっていたそうです。
高校卒業後、海上自衛官になるも自殺を図る
高校を卒業後、山上容疑者は専門学校に通っていましたが、中退し2002年8月に任期制自衛官(1任期=3年)として、海上自衛隊の佐世保教育隊に入隊します。
山上容疑者は高校卒業後の志望は消防士だったそうですが、強度の近視だった為に、不合格となっています。
その後公務員試験受験の為の専門学校に通う事になりますが、この時も山上容疑者を援助してくれたのは伯父さんでした。
この時は中止していた母親への援助も再開し、それとは別に山上容疑者個人に75万円程の援助も行っていたそうです。
佐世保教育隊入隊から4か月後に、呉海上自衛隊基地で実習部隊に配属され、1年以上、実習部隊で経験を積んでいます。
ですが、ここで上司とトラブルになり、この後進む予定だった学校への進学の道が閉ざされてしまいます。
最後の頃は広島県江田島市の第一術科学校に、学生ではなく職員として在籍し、総務課文書係という窓際部署で過ごしていたと言われています。
その後の2005年2月14日に呉市内にある自衛官専用の下宿で自殺を図っています。
ベンジン50ミリリットルとアルコールを飲み自殺を図りましたが、結局自身で救急車を呼び、一命はとりとめました。
この時の自殺の理由としては、当時広島で消費者金融から80万程の借金があったが、返す当てが無かったそうです。
また当時山上容疑者が加入していた生命保険の受取人を自分の母から障害を持つ兄に変更し、保険金を残そうと考えていたそうです。
結局、この時の借金も前述から援助していた伯父が返済しています。
この時に当然母親にも連絡はされていますが、この時期は韓国に度々わたっており、中々連絡が付かない状況だったそうです。
やっと連絡が取れて、帰国やお見舞いを促しても一向に動く気配が無かったと当時の海自関係者の証言もある様です。
また当時の山上容疑者も母親には会いたく無いと発言していた様です。
2015年に兄が自殺し追い込まれていく
自殺未遂後は海自を退職しています。
2005年8月に海自を退職後の翌月から測量会社でバイトを始め、測量士補の資格を取得。
同年10月には宅地建物取引士を取得、さらに2008年3月にはファイナンシャルプランナー(2級)の資格も取得する等仕事に役立つ資格を多数取得していますが、その後の仕事は長続きしなかった様です。
そして2015年11月には当時まだ30代半ばだった兄が将来に悲観して自殺してしまいます。
山上容疑者の家族を長年にわたって援助してきた伯父さんが山上容疑者にあったのはこの兄の葬儀が最後となった様です。
山上容疑者が海自時代に自殺を図った時に、この伯父さんが山上容疑者を引き取って世話をする話も出たそうです。
ですが、伯父さんの子供たちに反対されて実現には至らなかったそうです。
まあ伯父さんの子供たちの意見も最もですが、この時に伯父さんに引き取られていれば、今回の様な惨事は起こらない未来もあったかも知れません。
これ以降も職を転々としながら、家庭を崩壊させた恨みの矛先は当然ながら統一教会に向いていました。
ところがここでもコロナ禍や様々な要因が作用し、徐々に標的が安倍元首相に変わり、殺害の為の準備を行っていく事になります。
悲惨すぎる生い立ちに同情の声を上げる人も少なくない
事件発生後に山上容疑者に関する生い立ちや経歴が報道されると、あまりの悲惨さに一部では上記の様な同情を感じる声も上がるようになっています。
たしかに筆者も悲惨すぎる過去と感じます。
ですが、その結果が殺人というのは話しが別なのは言うまでもありません。
暴力で解決しようとするのはいかなる時でも取るべきではない最悪手なのは言うまでもありません。
最近の報道では精神鑑定も行われる予定と報じられています。
念の為の鑑定ならまだしも、減刑や無罪にする為の鑑定にならない様にして欲しいですね。
山上容疑者の動機は報じられている内容では、個人的な恨みによるものですが、統一教会が出て来て政治家との関係等も報道される様になって、どんどん話題の中心は違う局面に移っている様です。
政治家と宗教団体との関りを明らかにするのも必要ですが、今回の事件についてはきちんと捜査、裁判が行われる事を願います。
また山上容疑者の母親は以前ほどではないと言われていますが、現在も熱心な信者であると言われているので、宗教の求心力というか闇も感じますね。
コメント