2023年で創立120周年を迎えた木下大サーカス。
ハラハラドキドキするパフォーマンスを次から次へと見せてくれるサーカスは、子供から大人までが魅了されますよね。
木下大サーカスは世界三大サーカスの1つで、また日本で唯一動物ショーが観られるサーカスなんですよ。
そんな木下大サーカスには死亡事故の噂があるようです。
サーカスで死亡事故と聞くとちょっと怖いですよね。
しかし、この木下大サーカスでの死亡事故の噂はデマでした。
たしかに戦時中に関係者が大地震によって亡くなっていますが、それ以降は人間も動物も亡くなっていません。
ではなぜ木下大サーカス死亡事故の噂が出たのか?
調べたところ、
- 過去に木下大サーカスで公演していたライオンやキリンの死
- 他のサーカス団での動物の死
が関係しているようです。
この記事では木下大サーカス死亡事故の噂が出た理由のほか、木下大サーカスの闇についてもまとめています。
ぜひ最後までご覧ください。
木下大サーカスでの死亡事故の噂が流れた理由
いつも危険と隣り合わせのサーカス。
木下大サーカスでは戦後以降、死亡事故は発生していません。
では、なぜ今でも死亡事故の噂が出ているのでしょう。
それは6つの理由が関係しているようです。
- ホワイトライオン・ハタリの死
- キリン・マサイの死
- 市原ぞうの国のゾウの死
- クマのバイク事故
- ゾウへの射殺事件
- 団員の死
詳しく見てみましょう。
ホワイトライオン・ハタリの死
木下大サーカスの死亡事故説には、ホワイトライオン・ハタリの死が関係しているようです。
木下大サーカスで2010年11月から2011年3月まで活躍していたホワイトライオンのハタリ。
2019年9月16日に10歳で亡くなっています。
実は、2011年3月にオス同士の喧嘩に負けたハタリは、ストレスを抱えてしまい自律神経失調症になってしまいます。
ライオンも喧嘩で自律神経失調症にまでなってしまうんですね…。
かわいそうに。
そんなハタリは、療養のため、2011年4月に岡山県岡山市の池田動物園に移されます。
移動後は元気だったようですが、最期は胃に穴が開く胃穿孔(いせんこう)と腹膜炎になってしまい、それが原因で2019年9月に亡くなってしまいます。
ホワイトライオンの寿命は20~25年程度といわれているので、10歳で亡くなったハタリはかなり早すぎる死でした。
元木下大サーカスにいたハタリが亡くなった話が、木下大サーカス死亡事故の噂につながってしまったようですね。
キリン・マサイの死
木下大サーカスの死亡事故説には、キリン・マサイの死も理由の1つと考えられます。
1988年に生まれ15年間木下大サーカスで活躍していたキリンのマサイも、2018年11月11日に亡くなっています。
サーカス団を引退する年齢となったマサイは2016年9月に那須サファリパークに移ります。
そしてその2年後に亡くなりました。
元木下大サーカス団のマサイの死も、木下大サーカスの死亡事故の噂につながった原因のようです。
市原ぞうの国のゾウの死
木下大サーカスの死亡事故説には、市原ぞうの国のゾウの死も関係していると言えます。
千葉県市原市にある『市原ぞうの国』で、2021年5月16日に2頭のぞうが亡くなっています。
『市原ぞうの国』は国内でゾウの飼育数が最も多く、2023年8月現在は10頭のゾウが暮らしています。
実は2頭が亡くなる2日前に、亡くなったゾウを含む計6頭が体調を崩しています。
何かあったのでしょうか。
亡くなった原因は不明と言われていますが、治療にあたった獣医師によると「中毒の疑いアリ」とのこと。
『市原ぞうの国』は飼育環境が劣悪という噂もあり、本当の死因は中毒ではなく虐待からのストレスとも色々な憶測が飛び交っているようです。
ちなみにどんな飼育環境かというと・・・
- 檻の中が汚い
- 鋭いフックを使用した調教方法が残酷
- パフォーマンス中にゾウが頭から血を流し、それを調教師が帽子で隠していた
- 観客に見えないところで耳を強くひっぱり殴ったりもしていた
とのこと。
実際のところはどうなのかわかりませんが、ゾウが同時に体調を崩したのはちょっと気になりますね。
というわけで、ゾウが亡くなったのは『市原ぞうの国』の話なのですが…
木下大サーカスのゾウが亡くなったと勘違いされて、木下大サーカス死亡事故につながってしまったようです。
クマのバイク事故
木下大サーカスの死亡事故説には、クマのバイク事故も関係していると思われます。
過去にロシアのボリショイサーカスでクマがバイクから落ちる事故がありました。
クマがバイクに乗るって凄いですよね。
事故が発生したのはステージで2周目を走っている時だったそうで、バランスを崩して転倒したとのこと。
バイクは観客のほうに行かなかったですし、クマにケガもなかったのでよかったですが、正直怖いですね。
というわけで、このクマのバイク事故についてもボリショイサーカスの話なのですが…
木下大サーカスのクマと間違われて、木下大サーカスの死亡事故説につながってしまったようです。
ゾウへの射殺事件
1994年8月に起きたゾウの脱走事件も、木下大サーカス死亡事故説につながっているようです。
実は、ハワイホノルルのサーカスで公演中のゾウが調教師をなぎ倒して殺してしまうという事件がありました。
パニックとなったゾウのタイクは、園内から脱走。
外に出て走り回るタイクをとめる術はなく、犠牲者を出さないために仕方なく射殺されてしまいます。
警官から86発の銃弾を浴びせられて…。
痛ましい事件ですが、なぜタイクは公演中に調教師をなぎ倒してしまったのでしょうか。
原因はサーカスゾウとして15年間毎日のように調教師から受けてきた激しい体罰と言われています。
ストレスの限界と自分の命の危険から、事件当日の最後の大技であるクライマックスで事故が起きてしまったようです。
動物と人間、調教について考えさせられるエピソードですね。
辛い死亡事故の話でしたが、これについても木下大サーカスとは全く関係ありません。
勘違いから木下大サーカス死亡事故説の憶測を生んでしまったようです。
団員の死
木下大サーカスの死亡事故説には、団員の死も関係しているようです。
木下大サーカスで団員が死亡したというツイートがありました。
これです。↓↓
木下大サーカスの団員6人が亡くなったのは本当です。
ただし1943年9月10日の木下大サーカスの公演中に発生した鳥取大地震が原因です。
ツイートの内容通り、団長代理や女性団員の計6名が亡くなっています。
しかしながら、木下大サーカスの公演での事故ではありません。
団員が亡くなった話から、木下大サーカスで死亡事故があったと思われてしまったようです。
ちなみに、木下大サーカスの団員の失敗が過去にあったのかも調べてみました。
どうやらジャグリングのパフォーマーが4回連続で失敗したことがあったようです。↓↓
団長さんに怒られていないといいですが…。
誰でも失敗はありますよね。
一方、”失敗ではなく演出”だったという噂もあるようで、笑いをとる場面だったのかもしれません。
とにかく事故ではなくてよかったです。
木下大サーカスの闇が深いと言われる理由について
何かと「サーカス=虐待」と考える動物愛護団体がいますが、木下大サーカスは動物に虐待をしているのでしょうか?
ここからは木下大サーカスの黒い闇について見ていきます。
狭いコンテナに閉じ込められたまま輸送
全国各地を3ヶ月ごとに公演しては移動を繰り返している木下大サーカス。
1年に4回も引っ越ししているんですね。
もちろん、そのたびに動物たちは狭いコンテナの中に入って長時間移動するわけです。
2016年まではキリンのマサイもいたので…
お座りのような姿勢で首を前にずっと倒した状態での移動は辛かったでしょうね。
移動中は1時間に1度休憩し、その時は首も伸ばせたようですが…。
ちなみに、ゾウは1頭分のコンテナの中に2頭入れられていて、足かせで繋がれているという噂もあります。
いずれにせよ動物にとってサーカスの会場移動は相当な拘束を強いられるものなのです。
公演期間中の滞在スペースが狭すぎる
一時だけ設営する移動サーカスのため、公演期間中に滞在できる動物たちの収容スペースは十分とはいえません。
ライオンは常に檻の中ですし、ゾウは足かせをつけられたままという情報もあります。
2020年に木下大サーカスは動物愛護に関する問題が取り上げられました。
しかし木下大サーカスは、動物の福祉という観点では全ての動物に対して十分な居住エリア、運動スペースの確保に努めていると主張していますが…。
動物たちに本当に十分なスペースが確保されているのかは、正直疑問に思うところではありますね。
ちなみに、ライオンはこのような檻の中で過ごしているようです。
ストレスが溜まらないといいですが…。
ライオンが動かない
木下大サーカスでは、曲芸中にライオンが耳を伏せて動かない時もあったようです。
木下大サーカスのライオンの曲芸といえば、台から台へと輪っかを跳びくぐらせるパフォーマンスが有名ですが…。
しかしこれは当然ながら事故につながりかねない曲芸で、ライオンにとっては精神的にも身体的にも負担の大きいもの。
ライオンが耳を伏せていたのは、恐怖や不安を感じていたからだそうです。
それなのに、動かなくなったライオンに調教師はムチを振りまわして脅し、芸を強要していたんだとか。
無理を強いられている姿に「木下大サーカスのライオンはかわいそう」という声が囁かれています。
ゾウの足が震えている
木下大サーカスのゾウの曲芸では、逆立ちや後ろ足のみで二足歩行させるものがあります。
2~3トンもの巨大な体重のゾウが二本足で体を支えるのは、かなり大きな負担でしょう。
逆立ちや後ろ足立ち、ひざまずく行為は、関節や脊椎が傷つくほか、爪が裂けることにもつながります。
またバランスをとる行為は、ヒジとヒザに問題を起こす可能性も。
しかも、木下大サーカスのゾウの調教師は、ゾウを脅すために先のとがったブルフックやムチを使って芸を強要しています。
前述したライオン同様、ゾウも曲芸を行うことは精神的にも身体的にもかなりの負担となっているのでしょう。
公演中に後ろ足とヒザがブルブル震えていたゾウが目撃されています。
サーカスでの死亡事故は過去に幾つか存在する
木下大サーカスではありませんが、他のサーカス団では実際に発生した死亡事故があります。
3件ご紹介します。
メスライオンに襲われた4歳児
2018年10月にロシアで母親とサーカスを見に来ていた4歳の女の子が、パフォーマンス中のメスライオンに襲われるという事件がありました。
女の子は命に別条はありませんでしたが、生涯残る傷を顔に負ってしまったそうです。
メスライオンが女の子を襲った理由は、女の子が母親から離れた最前列の席で小さな旗を振っていて、その旗に反応してしまったからとのこと。
メスライオンは安全網の外にいる女の子に飛びかかり、鋭い爪で網の間から女の子をリングへと引きずりこんだんだそうです。
女の子は亡くなってはいませんが、とても怖い話ですよね。
公演中の転落死
2018年3月17日に『シルク・ドゥ・ソレイユ』(カナダに拠点を置くエンターテイメント集団)で転落事故が発生しています。
空中曲芸のパフォーマンス中にステージへ落下した男性パフォーマー。
病院へ救急搬送されるもののそのまま亡くなられました。
『シルク・ドゥ・ソレイユ』での転落死は、他にも2013年6月29日にも発生しています。
『シルク・ドゥ・ソレイユ』が1984年に設立されてから、公演中に死亡事故が発生したのはこの時が初めてのようですが…
ワイヤで天井付近まで吊り上げられた女性パフォーマーが約15メートルの高さから転落。
観客の多くは当初、ショーの演出の一部だと思っていたようですが、その後女性パフォーマーの叫び声、うめき声が聞こえて…
サーカスのパフォーマーはいつも死と隣り合わせで、命がけのパフォーマンスを行っているんですね。
『シルク・ドゥ・ソレイユ』ではその他、2016年に技術者が昇降装置に挟まれて死亡しています。
日本での転落死
日本でもパフォーマーの転落死が発生しています。
それは1977年の11月23日のキグレ大サーカスの水戸興業でのことでした。
観客の目の前で綱渡りを見せていたピエロの男性が、3.5メートル下の地面に墜落。
病院へ救急搬送されるもそのまま死亡しています。
まとめ
今回は、木下大サーカスの死亡事故や闇についてお伝えしました。
調べたところ、
- 木下大サーカスでの死亡事故はない
- 死亡事故説は、元サーカス団だったライオンやキリンの死が関係している
- その他、他のサーカス団や動物園での動物の死、地震による死も関係している
- 公演場所を移動する際、動物たちは狭いコンテナに閉じ込められている
- 公演期間中の動物たちの滞在スペースが狭すぎる
- 曲芸を行うライオンやゾウは、精神的にも身体的にも負担が大きい
- 海外では、ゾウが4歳児を襲う事故があった
- シルク・ドゥ・ソレイユやキグレ大サーカスでは転落死が発生していた
ということがわかりました。
サーカスのパフォーマンスは子どもから大人までを魅了し楽しい気持ちにさせてくれますが…
その裏では、動物たちの過酷な環境や、常に命がけでパフォーマンスを行う団員たちの努力があったんですね。
動物愛護問題もありサーカスの是非が問われていますが…
木下大サーカスには、ぜひ動物たちが精神的に楽な気持ちでいられるようさらに工夫し、いつまでも私たちに楽しい時間を提供してくれる存在であってほしいなと思います。
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