昭和50年代の大阪の下町を舞台に繰り広げられる人情コメディーアニメ・じゃりン子チエ。
TBS系で地上波で放送されていた頃は、そのドタバタ劇を子どもから大人まで楽しんで観ていました。
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1990年代前半には、再放送もされていたじゃりン子チエ。
しかしながら2024年現在、じゃりン子チエは色々な事情があり、放送禁止となっているという噂があります。
そこで今回、アニメ・じゃりン子チエが放送禁止となった理由について調査しました。
古き良き昭和の時代を描いたじゃりン子チエに何があったのか、どうぞ最後までご覧ください。
じゃりン子チエとは?
じゃりン子チエは、原作の漫画の作者ははるき悦巳氏で、双葉社の「漫画アクション」約19年長期連載していた人気漫画です。
1980年にはるき悦巳氏は同漫画で第26回小学館漫画賞を受賞しています。
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テレビでは、1981年から1983年にかけて全64話が放送されました。
物語のヒロインは父親・テツのホルモン焼き屋を切り盛りする小学5年生の女の子の竹本チエで、チエが個性豊かな町の仲間たちと暮らしていく日常を描いています。
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じゃりン子チエの人気は当時の関西では、あの国民的アニメのドラえもんと二分する程で、「大阪のサザエさん」との呼び声も高く、親しまれてきました。
アニメのチーフディレクターは、ジブリ映画でおなじみの高畑勲氏。
出典:毎日新聞
じゃりン子チエには関西出身の声優や俳優が起用され、リアルで自然な関西弁がアニメの人気につながったようです。
じゃりン子チエが放送禁止になった4つの理由
リアルタイムで放送されていた頃は大変人気があったじゃりン子チエですが、なぜ放送禁止になってしまったのか、その理由は時代にあると言えます。
2024年現在、アニメに限らず地上波でのテレビ放送は、問題のある番組にBPO(放送倫理・番組向上機構)に苦情が寄せられています。
出典:BPO
では、実際アニメ・じゃりン子チエのどんなシーンに苦情や抗議が殺到しそうなのか、お伝えしていきます。
放送禁止用語が多発
じゃりン子チエは、放送禁止用語が多いことで知られています。
具体的には、アニメ内でチエの父親のテツが先生のことを「セン公」、警察官を「ポリ公」と呼んだり、「チョン」や「キチガイ」と言った差別用語が使われています。
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アニメが地上波放送されていた1980〜90年代は、現在と比べ規制が厳しくなかったこともあり、登場人物の言葉使いも含め、魅力となっていたようです。
お笑い芸人の東野幸治さんは、Netflixでじゃりン子チエを観たことを語っており、登場人物が「普通に放送禁止用語言ってる」とびっくりしていました。
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また、商品名がそのままアニメ内に登場するなどスポンサー問題などにも現在では関わってくるでしょう。
放送するにしてもセリフの一部を変更する必要があったりカットしたりと手間がかかるのと、リアルタイムで観ていた人達からは物足りなさを感じてしまうかもしれませんね。
暴力シーンが多い
じゃりン子チエと言えば、暴力シーンが多いことでも知られています。
ヒロイン・チエは、けんかっ早く、トレードマークの下駄はケンカの時の武器になっていました。
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現代のアニメにはなかなかない、クラスメイトとの殴り合いのケンカもしています。
チエの父親・竹本テツは、三度の飯よりケンカと博打が大好きで、近所のヤクザからお金を巻き上げたり、博打場でイカサマして稼ぐなどなかなかのダメ親っぷり。
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ヤクザからは強引にお金をゆすり取るのが日課で、プロボクサーを一発KOしたり、力士3人相手にケンカし、大けがを負わせるなど、ケンカ三昧。
日常的にケンカ(暴力)シーンが多めなのは、現在では放送は難しいでしょう。
児童虐待
じゃりン子チエが放送禁止の理由として、父親であるテツがチエを虐待しているのではないかとみられるシーンが多いことも挙げられます。
父親のテツは、自身が営むホルモン焼き屋を娘のチエに任せきりで遊びに出かけることが多く、チエが1人で店番し、お客さんにお酌をするシーンも。
お客さんも、躊躇なくチエに注文しているのも何だかシュールです。
また、チエが飲酒するシーンもあるため、現代なら有無を言わさずカットされるのではないかと思われます。
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父親のテツは、ギャンブルに明け暮れ家に帰ってこないという、現代では育児放棄や児童虐待で抗議が殺到しそうですよね。
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そんなテツに呆れたチエは「ウチは日本一不幸な少女や」が口癖になっていました。
また、これはギャグ要素も含まれていると思われますが、猫の小鉄に店の手伝いをさせるといった動物に対しても虐待しているのではというシーンもあります。
そんなわけで、お手伝いの範疇を超えてワンオペで夜遅くに飲食店を切り盛りするチエに「虐待だ」と非難殺到するであろうと思われるシーンが多いことも理由となっていることが分かります。
アニメの舞台が西成のあいりん地区
じゃりン子チエの放送禁止の理由は、じゃりン子チエの舞台である地域が、大阪府の西成・あいりん地区ではないかと言われていることも関係しているようです。
アニメ・じゃりン子チエの舞台は、大阪市頓馬区西荻という架空の地域ですが、原作漫画のはるき悦巳氏の出身地が大阪府西成区だったこともあり、恐らく幼いころから見てきたあいりん地区をモデルにしたのではないかと思われます。
あいりん地区は「釜ヶ崎のドヤ街」とも呼ばれていた日雇い労働者の町。
路上生活者が多い町としても知られており、昔は暴動や不法露店、不法投棄など様々な問題がある治安の悪い地域として有名でした。
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あいりん地区界隈には、チエが働いていたようなホルモン焼き屋さんも多いようです。
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西成あいりん地区は現在行政の手も入り、治安は改善してきていますが、それでも話題にするとクレームを入れられる危険性もあるため、放送する側もためらってしまったと考えられます。
じゃりン子チエは本当に放送されてないのか?
平成になってからは、関西でもほとんど再放送はされなくなってしまったじゃりん子チエ。
しかしながら、関西ローカルのサンテレビでじゃりン子チエのHDリマスターが再放送されていることが分かっています。
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3年前の2021年には関西を除く地域での放送は無いものの、再放送はされていたんですね。
世間の声
じゃりン子チエは2024年現在から40年以上前のアニメでありながら、人気は健在のようです。
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前述の通り、じゃりン子チエのアニメの声優が関西出身で、わざとらしくなく自然な大阪弁が聞けることも人気の理由の1つと思われます。
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また、ダメ親と言われているものの、チエの父親のテツに愛嬌があり、憎めないキャラであることも人気につながっているようです。
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破天荒なシーンが多いじゃりン子チエですが、古き良き時代の象徴とも言える人情が、現代の人々の心をつかんで離さないのかもしれませんね。
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じゃりン子チエのアニメがリアルタイムで放送されていた頃には、生まれていなかった若い世代にも人気があるようです。
じゃりン子チエは、今後もコンプライアンス問題もあり全国区で地上波での放送は難しいと思われますが、ネットで配信されていたりサブスクでその魅力を知る人も今後増えるのではないでしょうか。
まとめ
じゃりン子チエが地上波で放送禁止となっている理由についてお伝えしてきました。
放送禁止用語や暴力、児童虐待などコンプライアンス的に2024年の現在ではじゃりン子チエの地上波での再放送は難しいと思われます。
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しかしながら、じゃりン子チエのアニメは古くからのファンに加えて新しい層である若い世代からも支持され始めてきていることも分かっています。
人と人との関係が希薄になっている現代こそ、人情味あふれるじゃりン子チエのアニメが人々の心に刺さっているのではないでしょうか。
今後もじゃりン子チエは古き良きアニメとしてあらゆる世代から注目されそうですね。
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